外務省よ「総統」の括弧を外せ
(日台稲門会会報掲載予定原稿) |
台北稲門会 北村友雄
2004,02.16 |
2月10日、日台稲門会石川幹事長より4ページのFAXが台湾の会社に届いた。
内容は「台湾の声」に掲載する、世界台湾同卿会、副会長、林建良氏の原稿であった。
そのなかに、とても信じられない内容があった。即ち「さらに、この申し入れ書にあるように、陳水扁総統の総統の部分をいちいち全てカギ括弧で括っていることに注目すべきだ。これは、<いわゆる総統>との意味であって、他国に対する最大限の侮辱に相当する表現のしかたである。なぜこのようなことを外務省が敢えてするかといえば、日本が台湾と国交がないからというわけではない。日本政府は同じく国交のない北朝鮮の元首を語るときに、けっしてこのような非礼極まりない表現はしない。つまりただ単に中国政府のやりかたに、外務省は従っているだけなのである。世界で台湾の総統を括弧つきで表現するのは中国と日本だけなのだ。この無礼な暴挙の根源は、言葉使いの一つにまで中国に追随し、台湾を最大限に軽蔑して中国の歓心を得ようとする外務省官僚の歪んだ真理構造なのだ。この真理構造をもつ人間がかつて武士道精神を生み出した国である日本の外交を牛耳っているのである。」
私は、これは林建良氏の勘違いではないかと思い、東京のある報道関係にたずさわる友人に、石川氏より届いたFAXをそのまま送信した。
長い付き合いなので彼は私の真意を理解し、2月11日回答をくれた。即ちわたしの思いは外れたのである。外務省の貼り出しを見た東京の記者達によると、括弧は「総統」、「総統府」、「秘書長」、「二国論」、というように表現されているとのことであった。
具体的には12月29日に貼り出した、台湾当局への申し入れについて、という書面では、総統府、総統、4つのノー、に括弧がついていたそうである。
12月29日は台湾で内田交流協会所長が、台湾政府に「国民投票はしないで欲しい」と日本政府の意向を伝えた日である。
民主的に全国民に選ばれた総統を括弧つきで表現する、しかも中国政府の表現をそのまま採用するとは、何たることか。日本は中国の属国か。そうまでして北朝鮮問題を解決しなければならないのか。このような馬鹿げたことを許している日本の政治家どもは、何をしているのだ。外務省よ、外務大臣よ小泉首相よ、福田官房長官よ反論があるなら、聞きたい。
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【ご参考】『中国課の対台湾内政干渉報告文書』 外務省、そこまで台湾を侮辱するのか
2004.01.10「台湾の声」より
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『中国課の対台湾内政干渉報告文書』
読者の皆さま
以下は外務省中国課が作った「台湾当局への申入れについて」の文書です。
中国のマネをして、陳「総統」の表現を使っています。それは陳「所謂総統」の意味です。
中国にぺこぺこしている外務省はこのような細かいところまで台湾を侮辱しているのです。
「台湾の声」編集責任者林建良(りんけんりょう)
平成15年12月29日
アジア大洋州局中国課
台湾当局への申入れについて
- 29日、内田勝久・交流協会台北事務所長より、邱(きゅう)義(ぎ)仁(じん)「総統府」秘書長に対し、以下の我が国政府の立場を伝達した。
(1)台湾に関する我が国政府の立場は日中共同声明にあるとおりであり、我が国としては台湾を巡る問題が当事者間の話し合いを通じて平和的に解決されること、そのための対話が早期に再開されることを強く期待している。
(2)しかし、最近の陳水扁「総統」による公民投票の実施や新憲法制定等の発言は、中台関係を徒に緊張させる結果となっており、我が国としては、台湾海峡及びこの地域の平和と安定の観点から憂慮している。我が国としては、現在の状況が今後さらに悪化することは回避する必要があると考えており、陳「総統」が就任演説で行った「四つのノー、一つのない」(注)を遵守され、この地域の平和と安定のため、慎重に対処していただくことを希望する。
(注)2000年5月の「総統」就任式典において述べた中国に武力行使の意図がない限り、
任期中@独立を宣言せず、A国名を変更せず、B「二国論」を憲法に盛り込まず、C統一か独立かを問う住民投票を行わず、D国家統一綱領・国家統一委員会を廃止し
ないとの発言。
- 上記申入れに対し、邱「秘書長」は、以下のとおり応答した。
(1)伝達していただいた日本政府の考えを陳「総統」に伝える。
(2)陳「総統」は「四つのノー、一つのない」を守り、また来年3月に実施する公民投票は独立問題とは関係なく、現状を変えるものではない旨を、これまで繰り返し発言している。
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